周りは木に覆われていて道のようないろいろな葉っぱの落ちている所をガサガサと音を立てて歩いていくと、木が少し減ってきた。すこし向に小川が見えた。近くにかなり古くなった丸太小屋があり、その横には
小さな木の船が浮かんでいた。
サラリーマン風の男はKに向かって、「あの小屋に白髪の男が居ますよ」と少し緊張した口調で言った。
「白髪の男ね、ああ管理人さんね」とKはおどけてみせた。
丸太小屋の前に細い橋が掛かっていた。幅1メートルもない位の橋だったが、小川の幅も2m.ない位なので
ちょっと橋の上に足を掛けて簡単に飛越える事ができた。
二人は川を渡り丸太小屋の前に立った。、小屋の扉はこちら側の引くようになっていた。サラリーマン風の男はオソロオソロとドアを開けた中は窓から差し込む叱りだけで薄暗いので、良く様子が見えなかった。ドアが閉まる時、ギーと音がした。
二人は中にはいった。古ぼけたテーブルと椅子がありその横に白髪の男が居た。薄暗い部屋の中で、その白髪だけが光っていた。