「お前もやるか?」と言う誘いにKはのった。
「三回勝った方が勝ちで、明日の昼飯おごりな」
「OK、じゃあ飯いただきだな、悪いね」とKは言いナインボールの玉をブレイクした。
結局、3:1でKが勝った。
「また負けかよ」と友達は悔しそうだった。
友達のYは東京の出身で、もちろん都内に住んでいる。どちらかと言うと金持ちでボンと言う感じの男だ。地方出身のKと不思議に気があった。
東京なんて田舎モンの集まりでほとんど地方の人間ばかりだよと、誰かが言っていたが、そんな事はなく
意外とKの周りは地元の人間が多いように感じた。
Kの遊び好きが地元の人間と気が合うのだろう。Kの実家も電気屋をやっていて、今とは違い、当時は大型量販店はまだ地方にはなく。景気もよかったので、仕送りも派手な生活をしなければ充分な金を送ってきてくれていた。
今日は、夢で過去に戻って一日目、本当に夢なのだろうか?
夢の中で現実をみている。不思議な気持ちだった。そんな事もあったので、早目に帰ることにした。外に
た。まだ、地下鉄が動いているはずだ。と思い、早足でホームに行く、自分のアパートまでは二駅で着く何処に行くにも便利な場所だった。